一章 悪役令嬢が幸せになるとは限らない!

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「ベンジャミン様、ごきげんよう!今日はどんな魔法を見せてくださるのですか?」 『マティルダは今日も元気だね』 「先週、ベンジャミン様が教えてくださった魔法はなんとかマスターできましたわ」 『そう。マティルダはすごいね』 「ベンジャミン様の教え方が上手なのですわ」 ベンジャミンは最強の魔法使いの名前に相応しい力を持っていた。 そのお陰で、マティルダの魔法の力は更に成長することとなった。 上手く言葉にはできないが、今までの講師達とは違い、魔法を根本的に理解しているような気がしていた。 それに教え方が上手いのも魔法が上達する要因だろう。 その証拠にマティルダの雷魔法は以前の数倍の力を発揮するようになった。 それに感動はしたマティルダはベンジャミンの指導を受けないかと、兄のライボルトも誘ってみたのだが「調子に乗るな」と一蹴されてしまう。 純粋な親切心から言ったのだが、どうやら嫌味と捉えられてしまったようで、かなり怖い顔をされてしまった。 こうしてまた兄妹間の亀裂は深まっていってしまう。 (余計なことしなければよかった……!)
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