一章 悪役令嬢が幸せになるとは限らない!

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魔法が元々使えない世界にいたからか、ベンジャミンの話はどれも興味深いものばかりで、次々と質問を投げかけてしまう。 『少し休憩しようか』と目の前に光の文字が浮かんだ。 いつも侍女達に止められてしまうくらい魔法の話に熱中してしまうこともしばしばだ。 博識で様々な魔法を使うことができるベンジャミンと会って話すことが楽しいと感じていた。 それに唯一、本当の自分を曝け出せる場所である。 次第に今まで溜め込んでいた愚痴が溢れていくが、いつも通りベンジャミンは話を聞いてくれていた。 「お父様とお母様は、絶対に失敗を許さないので、いつも緊張してしまいますし大変でしたわ。最近は屋敷の人達と令嬢達とはいい関係を築けていると思うのですが、ライボルトお兄様とローリー殿下には嫌われたままで……このままわたくしは破滅の道を辿ることになったらどうしましょう」 『……破滅?マティルダはなにか悪いことをしたの?』 「特にはしていないですけれども……。どうしてこうも嫌われているのかが不思議なのです」 『そんな未熟な奴ら気にしなくていい。マティルダは頑張っているから』
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