四章 最強の夫婦

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やっと物語の呪縛から解放されたのかもしれない。 そう思うと今までの努力が報われるような気がした。 足を進めていると、ベンジャミンが優しくマティルダの手を握った。 表情に出やすいのもあるだろうが、ベンジャミンはいつもマティルダを気遣ってくれる。 「マティルダ、大丈夫?何か嫌なことを思い出したの?」 「いえ、大丈夫です!これからどんどん楽しい思い出を作っていきましょう。だからベンジャミン様、また買い物に行きましょうね」 「買い物は………………考えておくよ」 「そんなこと言わないでください!」 「マティルダは危機感が足りないんだ。隙がありすぎるんだよ!」 「そうでしょうか?」 「そんなところが可愛いからいいんだけど……」 ベンジャミンはいつだって真っ直ぐな愛情を向けてくれる。 マティルダになるまではよくわからなかった恋する気持ちが、こんなにも幸せをくれることに改めて喜びを感じていた。 「マティルダに何かあったら……この世界を滅ぼしちゃいそうだ」 「……えっ!?」
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