四章 最強の夫婦

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「うん。自然というよりは意図的に誰かが魔法を使って大波を引き起こしている気がするんだ」 「一体、誰がそんなことを……」 マティルダが呟いたのと同時にベンジャミンは椅子を引いて立ち上がった。 マティルダには何も聞こえたりはしないが、ベンジャミンにはわかることがあるのだろう。 「このままだと城下町が波に飲まれてしまうかもしれない」 「嘘……」 「すごく大きな力だ。魔族が関わっているのかもしれない」 「え……?」 「もしかしたら師匠が」 「!!」 そしてブルカリック王国に魔法で、大波を起こすようなことをできる力を持っているのは数人しかいないが、とても行動に移すとは思えなかった。 もし魔法を使って自国を破壊するようなことを引き起こせば大罪だと知っているからだ。 (こんなに大きな力を持っている水魔法の使い手は多くはないはずだけど……ブルカリック王国の貴族がこんなことするなんて考えづらいわ。もしかして魔族の仕業かしら?) ブルカリック王国の人間ではないと仮定すると、考えられるのは魔族くらいなものだろう。 ベンジャミンの反応から見てもその可能性はもしかしたらあるかもしれない。
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