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ベンジャミンに『どうしたの?』と問いかけられてマティルダは言ってもいいか迷ったが口にすることにした。
「大きなクッキーを頬張るベンジャミン様が可愛らしくて……ふふっ」
『僕が……かわいい?』
「はい、とっても」
『……………』
やはり失礼かと思い、ベンジャミンの表情を窺おうとするが黒いウサギの仮面に阻まれてわからない。
ベンジャミンは特に自分から何かを言うことはないが意思表示はしっかりとしてくれる。
「ごめんなさい、嫌でしたか?」
首を横に振るベンジャミンにマティルダはホッと胸を撫で下ろした。
ベンジャミンの隣に『ありがとう、とても美味しかった』と文字が浮かぶ。
マティルダは嬉しくなり満面の笑みを浮かべた。
そんな時、侍女がこっそりと肩を叩く。
「大変……!もうこんな時間だわ。わたくしはそろそろ城に行っていつもの仕事をしなくちゃ」
マティルダは毎日王城に向かい、金色の玉に手を当てて電気を送っているのだが、それが城や町を支える電力となっていている。
以前はガルボルグ公爵やライボルトと順番に行っていたのだが、何故かマティルダが毎日任されるようになってしまった。
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