四章 最強の夫婦

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(そこまでして守る価値があるのかしら……) その行動からもわかる通り、ライボルトは自分の地位を守りつつ、あわよくばシエナを手に入れたいという強欲な気持ちが透けて見える。 シエナはライボルトは利用しているだけだろうに。 自分の欲しいものを手に入れるためには周囲がどうなろうと構わないのだろう。 シエナは手のひらから小さな光の玉を浮かべているが、先程マティルダを屋敷の外に誘い出すために魔力を使い果たしたのか、光が消えたりついたりを繰り返している。 攻略対象者を落とすことばかりに夢中で、魔法の力を高めることを怠ったが故に、今は光の玉を浮かべる程度の初期の魔法しか使えない。 どの魔法でも同じだが、安定して力を高めていくには毎日地道な努力が必要だ。 マティルダは余裕のある表情で二人を見ていた。 しかしシエナもライボルトもこちらを見て攻撃を放てないでいる。 トニトルスがイグニスを四六時中見張っているからか、空になるまでトニトルスにあげていた魔力を放出していない。 有り余ったマティルダの体の中からは大量の魔力が漏れ出している。 広範囲にバチバチと弾ける音と共に、金色の光が花火のように発光しては消えていく。
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