一章 悪役令嬢が幸せになるとは限らない!

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ガルボルグ公爵夫人は風魔法を使うレラ伯爵家から嫁いできたため、この仕事はしていない。 由緒正しきガルボルグ公爵家にとっては異例の事態だったらしい。 その理由は今のところ知らないが、ライボルトはガルボルグ公爵夫人を恨んでいるようでマティルダと同様、夫人にも態度は冷たいままだ。 (二属性でもいいと思うんだけどな……便利だし) ライボルト自身はガルボルグ公爵家のしきたりや『完璧』であることに縛られている。 他にも様々な魔法属性がある貴族達が城に集まり、魔法を使いつつも民達に恩恵を届けている。 侍女に準備をするために声を掛けると目の前に光る文字が浮かんで足を止めた。 『ねぇ、マティルダ』 「なんでしょうか?」 『どうしてライボルトやガルボルグ公爵は、君の仕事を手伝わないんだい?』 「うーん……どうしてでしょう。お忙しいみたいで、最近はわたくしが毎日、城に行ってますね」 『…………ふーん。でも普通は協力してするんだよね?』 「えぇ、まぁ。ですが皆様が快適に暮らせるのなら、わたくしは嬉しいので」
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