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瞳を合わせて、ゆっくりと唇を合わせてから笑い合った。
指を絡めてから彼にもたれるようにして体を寄せたあと、そっと唇にキスをする。
「マティルダはずるいなぁ……」
「ふふっ、ベンジャミン様が大好きですから」
「僕もマティルダが大好き。閉じ込めて僕だけしか見えないように……「わー!わー!それは禁止です」
「はは、冗談だよ」と言ったベンジャミンは胸ポケットから紫色の宝石がはめ込まれた金色の懐中時計を取り出して蓋を開けて時間を確認する。
蓋の中側には二人の名前が刻まれていた。
マティルダがプレゼントした懐中時計をベンジャミンは「一生大切にする」と言って、宝物のように使ってくれている。
暇があれば、ずっと懐中時計を見ている。
「そろそろ家に戻ろうか」
「はい!今日はベンジャミン様が好きなクッキーを焼いたんですよ」
「マティルダの作るクッキーが一番好きかもしれない。食べるのが楽しみだよ」
「行きましょう!」
転生した悪役令嬢が幸せになれるとは限らない……そんな台詞が頭に浮かんだが、今ならこう答えるだろう。
(──ううん、今はわたくしとっても幸せ!!!)
end
ここまで読んでくださり、大変嬉しく思います(*゚▽゚*)
ありがとうございました♪
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