一章 悪役令嬢が幸せになるとは限らない!

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(多分、男性よね……?でも髪も長いし、線も細いし、いまいちわからないわ) 恐らく男性という前提でマティルダは動いていた。 「今日はよく晴れていて風が気持ちいいですね!ベンジャミン様」 『そう?』 「はい!わたくし、この時間がとても好きなんです。空中を歩くなんて夢みたい……!」 『…………』 最初は怖かったが、今は不思議な感覚が癖になりつつある。 これは風魔法の一種らしいが、ガルボルグ公爵夫人に聞いてみてもとても真似できないような高度な魔力コントロールや集中力が必要なようだ。 城から少し離れた場所に下ろしてもらい、侍女達と合流したマティルダは頭を下げた。 「ベンジャミン様、ありがとうございました。今日もとても有意義な時間を過ごせて楽しかったですわ」 『……また』 「はい。では行って参ります」 そう言ってマティルダは城に向かって歩き出して、門の中へと入っていった。
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