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味方してくれている令嬢達に「ありがとう、いいのよ」と言って諌めていく。
令嬢達は心配してくれていたが、ローリーの冷めた態度に慣れきっているマティルダにとってはいつものことである。
彼の態度がこのままでもマティルダから咎めることもなかった。
無理矢理距離を詰めようとしても、嫌な顔をすることは知っていたからだ。
この癖のある攻略対象者達を惚れさせることができるヒロインはきっと素晴らしいのだろう。
(それか、わたくしがダメすぎるのかしら……)
今は落ち込んでいる場合ではないと「行きましょう」と声を掛けてから歩き出す。
周りにいる令嬢達は、乙女ゲームのマティルダの取り巻き令嬢達とは違うメンバーで、優しくて可愛くて、いい子達ばかりなので彼女達が大好きだった。
それに家柄関係なく接していたつもりだったが、何故か同じ公爵家や侯爵家の良識ある令嬢達の友人が多いような気がした。
仲良くなったきっかけは婚約者との仲を取り持ったり、家同士を繋いだり、喧嘩の仲裁に入ったりと理由は様々だった。
勿論、味方は多い方がいいという打算的な考えもあったものの、単純に周りにいる人達には幸せになって欲しくて、マティルダはよく人助けをしていた。
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