一章 悪役令嬢が幸せになるとは限らない!

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この年齢になれば、大抵の令嬢達には婚約者がいる。 仲睦まじげな話を聞くたびに「どうすれば仲良くなれるのか」「よく思ってもらうためにはどう動けばいいのか」を聞いていた。 しかし、実践してみたところでローリーとの関係は良くなりもしなければ反応も変わらない。 マティルダとローリーが不仲なことを知っている令嬢達は、懸命にサポートしてくれたが今まで成果を上げることはできなかった。 折角、頑張ってくれている令嬢達には申し訳ない気分でいっぱいだった。 「どうしてローリー殿下はこんなに冷たいのかしら」 「マティルダ様はこんなに頑張っていらっしゃるのに……」 「そうよ!マティルダ様はいつも努力しているもの」 「確かにローリー殿下は誰に対してもそうだけれど、マティルダ様は……」 「皆様、ありがとう。わたくしがまだまだなのよ。でも、卒業パーティーまでにはもっと仲良くなれるように頑張らないと」 卒業パーティーで行われるマティルダの断罪。 それまで二年の猶予が与えられている。 それまでヒロインは光魔法の訓練をしたり、攻略対象者達と様々なイベントをクリアしつつ愛を育んでいく。
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