一章 悪役令嬢が幸せになるとは限らない!

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今まで何らかの連絡はあったはずだが、ここまで放置されるのは初めてのことだった。 やはりギリギリまで待ってみてもローリーからの連絡はない。 お昼の部は令嬢、令息達だけが集められていて、夜の部は国の貴族たちが集められてローリーの誕生日を祝うことになっているのだが、マティルダは嫌な予感を感じていた。 そしてローリーの誕生日パーティー当日。 なぜ迎えに来ないのだと怒るガルボルグ公爵と心配そうな公爵夫人の姿があった。 ローリーが滅多にガルボルグ邸に来ることはないが、公の場ではそれなりに婚約者らしく振る舞っていたとあって、今回の件には驚きを隠せなかった。 しかし両親に訳を話せば間違いなく面倒なことになりそうだと思ったマティルダは、ローリーは忙しいということにして会場に一人で向かうことにした。  不安を抱えたまま馬車へと向かう。 一応、ローリーへの誕生日プレゼントも用意していた。 彼が喜ぶかはわからないが、毎年マティルダは万年筆やハンカチなどをあげているものの身につけているところを見たことがない。 (効果があるとは思えないけど、なにもないよりはマシよね)
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