一章 悪役令嬢が幸せになるとは限らない!

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のんびりと学園生活を過ごしていた自分をビンタしたいところではあるが、マティルダはヒロインと関わってもいないし、やってもいないことで責められる理由がないと思っていた。 「まずシエナのことだ」 「はい。シエナ様がなにか?」 「同じクラスであり、唯一の光魔法の使い手であるシエナ・レデュラを虐げたそうだな」 「あの……ローリー殿下、ひとつお伺いしても?」 「その行為、未来の国母として許されるものではないぞ?」 「ローリー殿下、わたくしは……っ!」 「シエナはこの国で唯一の光魔法が使える貴重な人間だ。それを妬んだお前は俺に対する嫉妬から……」 「ひとつ宜しいでしょうか。わたくし、ローリー殿下の交友関係に嫉妬したことはありませ……」 「嫉妬からシエナを隠れて虐げていたと報告を受けている」 「むしろシエナ様とは、本日初めましてなのですが」 「それに加えて周囲の令嬢達を使い、シエナを邪険にしていたそうじゃないか!」 「………………」
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