一章 悪役令嬢が幸せになるとは限らない!

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とりあえず仲のいい令嬢達は巻き込まれて欲しくないと、ローリーの無視に負けず「訂正して下さい。わたくしの友人達は無関係です」と言うと、今度はしっかりと聞こえたようで「全てお前ひとりの犯行とは……!なんて悪どいんだ」と言われてしまい目を剥いた。 このままでは埒があかないと、違った角度から問いかける。 「わたくしがやったという証拠はあるのでしょうか?」 「証拠などシエナの証言と数人の目撃情報で十分だ」 「いささか強引では?」 「全くこの気に及んでペラペラと……往生際の悪いやつだ」 マティルダに生まれ変わる前から恋愛にはからっきしでも、仕事に関しての反論は言い返し慣れているし、負ける気はしない。 マティルダが笑みを浮かべながら首を傾げると、ローリーは悔しそうに「くっ…」と、唇を噛んで悔しそうにしている。 しかしそんな時、薄紫色のドレスがふわりと揺れた。 ローリーを援護するようにシエナの声が会場に響き渡る。 「ローリー殿下、わたしが我慢すれば済む話ですから、マティルダ様を責めないでください……!」 「だがシエナは十分耐えたではないか!」
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