一章 悪役令嬢が幸せになるとは限らない!

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ライボルトの言葉にマティルダから大きな声が漏れる。 しかしライボルトは軽蔑した眼差しでマティルダを見ながら吐き捨てるように言った。 「……黒い仮面を被った男だ」 「なっ……!ベンジャミン様は魔法を教えてくださっていただけですわ!それはライボルトお兄様も知っていますでしょう!?」 「さぁ……どうだか」 「お父様とお母様に確認していただければすぐにわかりますわ!」 「父上と母上はお前の味方だからな。二人きりで森に行ったりしていたではないか!」 「そのようなことがないようにと侍女も常に側に待機していて、お父様とお母様もよく……!」 「そんなものはいくらでも言い訳できる。だが俺は……騙されないからな!」 マティルダは魔法を教わっていたが、必ず侍女が控えていたしやましいことはしていない。 それを密会ではないことはライボルトもよくわかっているだろうに……。 マティルダはライボルトに裏切られたような気分だった。 「ライボルトはマティルダの不貞行為を目撃したそうだ。これは許されることではない!」 「違います……!ベンジャミン様はわたくしの魔法の講師をしてくださって、決してそのようなことは」 「マティルダが不貞行為を行った以上、止むを得ない」 「…………!」
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