一章 悪役令嬢が幸せになるとは限らない!

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中でもヒロインの取り合いは必見。 執着されるのなんて序の口で、ドロドロに愛され求められるヒロインを見て、こんな風に過激に愛されたいという熱狂的なファンから火がつき、コラボカフェ、アニメ化、舞台化とどんどん白熱していった。 攻略対象者がライバルとなり争うこともあるが、その中にはもちろんヒロインと敵対する令嬢が登場する。 それが公爵令嬢、マティルダ・ガルボルグで、雷魔法の使い手。 傲慢でプライドの高い令嬢である。 彼女は生温いことも手抜きも一切しない。容赦なくヒロインを捻り潰していく。 完璧主義で弱いものが嫌いなマティルダは周囲からも恐れられていた。 物語に電気のようにビリビリと刺激を与えてくれる存在だ。 時には頭がぶっ飛んでいるのでは?ということを平気でやってのける。 バッドエンドの中にはヒロインが彼女に黒焦げにされて焼き殺されるというものもあるというから驚きである。 そして不運にもブラック企業に人生を捧げてきた喪女で社畜の会社員は通称『ヘルラブ』の悪役令嬢マティルダに転生してしまったのだった。 残業を終えて、ご飯を食べる気力もなく暗い夜道を歩いていると、酔っ払いに追いかけられている南国にいそうな尾の長い赤い鳥が顔面に突っ込んでくる。
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