一章 悪役令嬢が幸せになるとは限らない!

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本来ならば、マティルダは怒りを爆発させて魔法の力を暴走させ、シエナに襲いかかるがローリーによって押さえ込まれてしまう。 そして最後には暴言を吐き散らしながら騎士に拘束されて退場する。 今のマティルダには呆れすぎてそれをする気力もない。 元々、そうならないために今まで頑張ってきたつもりだった。 それよりも今後、マティルダに待ち受けているであろう悲惨な結末について頭を抱えていた。 (ああ、詰んだわ……!なんでこんなに一方的なの!?わたくし、何も悪いことしていないのにっ) あれだけ頑張ってきたのにも関わらず、それが報われないとなると、もうこうなってしまうのは『運命』とさえ思えてくる。 (こんなことになるんだったら、さっさと逃げてしまえばよかったのよ!もう、わたくしのバカッ) しかしそんな思考を見透かすようにマティルダは追い詰められていく。 「ガルボルグ公爵にもこの件を伝えさせてもらう」 「……!」 「もうお前に逃げ場などない。マティルダ」 このことをガルボルグ公爵に報告されたらどうなるか簡単に想像ができた。
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