二章 元悪役令嬢、新婚(監禁)生活スタートです!

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わたくしの意思は……?という質問は今はしない方がいいだろう。 いつもと違い、饒舌なベンジャミンはマティルダの手のひらに花を積み上げて遊んでいる。 子供のように無邪気な行動を取る彼を目で追いかけていた。 マティルダは愕然としつつも、崖から落ちた時に言っていた時の言葉が冗談ではないことを悟る。 しかしマティルダは命を捨てようとした訳ではない。 突風のせいで足がもつれて体が傾いてしまっただけだ。 しかし彼がいなければ間違いなく命を落としていただろう。 (まずはわたくしが崖から飛び降りた訳ではないことを説明するところからよね!?婚約を解消したところからかしら……でもベンジャミン様はさっき元婚約者って言っていたから、あの会場にいたということ?) マティルダの頭の中は大混乱である。 にっこりと笑っているベンジャミンの様子を伺いながら唇を開いた。 「ベンジャミン様、わたくしは城に……っ!」 「もしかして……あの場所に戻るなんて言わないよね?」 「…………ッ!?!?」 ベンジャミンがグッとこちらに近づいてくる。 仄暗い瞳とあまりにも凄まじい圧力にマティルダはゴクリと喉を鳴らした。 顔がいいだけに迫力がある。
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