二章 元悪役令嬢、新婚(監禁)生活スタートです!

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それと同時に、周りにあった花がベンジャミンの感情に合わせて一気に枯れていく。 しおしおになった花は一瞬にして色をなくした。 「アイツらはマティルダを傷つける悪い奴らだ」 「ひえ……」 「僕はマティルダを傷つけたりしない。笑顔にしてみせる……だからマティルダはあそこに戻るなんて言わないよね?」 「は、はひ……!」 「マティルダはここにいたほうがいい」 「も、もちろんです!」 ベンジャミンの有無を言わせない圧に、マティルダは首がもげてしまいそうなほど縦に振っていた。 ガルボルグ公爵邸で見ていたベンジャミンのイメージからはかけ離れた行動にどうしたらいいかわからずに体を固くする。 ベンジャミンの表情が見えるようになったからかもしれないが、本当に同一人物かと疑ってしまうレベルだ。 (まるで別人だわ……!) ベンジャミンは納得したのか、にこやかに笑みを浮かべながら「よかった」と呟いた。 まだ状況は把握しきれていないが、どうやらブルカリック王国に戻ろうとすると起こるようだ。 「折角、マティルダのために用意した花が枯れちゃったね」 「……はい」 ベンジャミンは寂しそうな顔しながらパチンと指を鳴らして枯れた花を片付けた。
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