二章 元悪役令嬢、新婚(監禁)生活スタートです!

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ブツブツと「許さない…」と呟いているベンジャミンの姿を見て、どうしたものかと考えていると、窓から差し込む日差しが先程まで寝ていたベッドを照らしていることに気づく。 まるでスポットライトのように〝ここで昼寝したら気持ちいいよ〟と誘われているようではないか。 そんなマティルダの気持ちを見透かしているようにベンジャミンはにっこりと笑みを浮かべながらベッドを指差している。 「そこで昼寝したら、とても気持ちいいだろうね」 「ですよね!わたくしも丁度そう思っていたところなんです!」 「マティルダの表情はコロコロと変わって面白いね」 「そうでしょうか?」 「マティルダのそんなところが、ずっと可愛いなと思っていたんだ」 「……!」 ちょこちょこと挟まる甘いセリフにどう対応していいのかわからずに、戸惑いつつもマティルダはヘラリと笑って受け流す。 ベンジャミンのキャラの変化についていけない部分もあれど、これだけ親切にしてくれるのだからきっといい人なんだと悠長に思っていた。 「話は昼寝のあとにしようね」 「ですが、こんなによくしてもらって申し訳ないです……!」 「僕がやりたいからしているんだよ。だからマティルダは気にしないで」 「で、では……お言葉に甘えて失礼致します!」
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