二章 元悪役令嬢、新婚(監禁)生活スタートです!

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あんなに綺麗な顔が目の前にあったら誰だってこの反応になるのだろう。 ホッと息を吐き出してならマティルダも体を起こして、寝ていたベッドから足を下ろす。 カチャカチャと擦れる食器の音、ベンジャミンの背中を見ながら、そわそわしていると目の前に差し出されるカップとソーサー。 湯気がたっているカップを見つめた後に、再びベンジャミンに視線を戻す。 「お昼寝はどうだった?」 「は、はい!気持ちよく眠れました」 「マティルダの可愛らしい寝顔を見ていたら僕も眠くなったんだ。なんだか温かくて心地よかった。こんなに気持ちよく眠れたのは初めてだったよ」 彼の言葉を聞き流しつつ寝顔を見られた恥ずかしさと戦っていると、ベンジャミンは「どうぞ」と言ってカップを見ている。 「ありがとうございます」と御礼をいいつつも、カップに入ったミルクを飲み込もうとした時だった。 「熱……っ!」 思ったよりも熱い液体に舌が痺れるように痛くなった。 舌を出して痛みを逃していると、目の前に影が落ちる。 ベンジャミンの顔が間近にあることに気づいて首を傾げた時だった。
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