二章 元悪役令嬢、新婚(監禁)生活スタートです!

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「マティルダ、大丈夫!?まさか火傷をしたの!?舌を出してくれ……!」 「へ……?」 「マティルダが怪我を……!こんな時、どうすればいいんだろうか」 オロオロしているベンジャミンに言われるがまま、舌を出していた。 少し火傷しただけなので大丈夫だと言いたいが、舌を引っ込めようとすると怒られてしまう。 「こんな時、どうしたら……」 「ら、らいじょうぶへすよ?(だ、だいじょうぶですよ?)」 「マティルダを傷つけないと約束したのに……!なんでこんなことに」 こんな些細な怪我まで数えていたらそれこそ何もできないのではないかと思っていたのだが、ベンジャミンは冷たい飲み物を持って氷をカップにいっぱいにいれてマティルダに渡した。 これで舌を冷やせということだろうか。 冷たい飲み物を飲むと舌がひんやりとする。 「ありがとうございます。ベンジャミン様、もう痛みは治りました!」 「……本当!?」 「えぇ、本当です」 「ああ、よかった……人は弱くてすぐに死んでしまうから」 「???」 ホッと息を吐き出したベンジャミンは安心したようにマティルダの頬を撫でた。 しかし何故こんなにも過保護に接してくれるのかはわからないが、ベンジャミンの顔が間近にあって、だんだんと頬が赤くなっていく。
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