二章 元悪役令嬢、新婚(監禁)生活スタートです!

14/42
前へ
/217ページ
次へ
「それにこれ以上、ベンジャミン様にご迷惑をかけるわけにはいきません!わたくしはローリー殿下からも婚約破棄されて恐らく公爵家からも……」 「…………」 「今はもう、ベンジャミン様に何も差し上げることもできません」 あの時の出来事を思い出すと気分が重くなる。 ヒロインのシエナはローリーと結ばれてハッピーエンド。 ライボルトもマティルダという邪魔者がいなくなったことで、喜んでいる頃だろう。 そしてローリーの誕生日パーティーを楽しみつつ、二部にやってきたガルボルグ公爵達が来るのを待って、マティルダのことを報告するはずだ。 (あの子達もあのまま黙っていてくれたらいいけど……) 友人の令嬢達はマティルダを庇おうとしてくれていた。 しかしそんな彼女達を牽制するためとはいえ、魔法を使ってしまったことを悔いていた。 (……わたくしの分まで、婚約者と幸せに暮らせますように) 乙女ゲームに転生した悪役令嬢が幸せになるとは限らない。 自分なりに努力した結果、なんとか生き延びることはできたものの、国外に追放されたマティルダはバッドエンドを迎えた。 それでも一番マシなルートで、ベンジャミンに助けてもらったことで生き残れただけでもよかったと思うべきなのだろう。
/217ページ

最初のコメントを投稿しよう!

666人が本棚に入れています
本棚に追加