二章 元悪役令嬢、新婚(監禁)生活スタートです!

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そしていくら魔法講師としてマティルダに魔法を教えていただけのベンジャミンが、ここまでマティルダに優しくしてくれるのは何故かと考えてもさっぱりである。 「知ってるよ」 「え……?」 「全部、見ていたから」 再び、ベンジャミンの表情がなくなり冷たくなったような気がした。 仮面をつけていないからか、彼の感情の変化が見えることを不思議な気持ちで眺めていた。 「見ていたって……どういうことですか?」 「トニトルスに頼んで見張っていた。マティルダのことが心配だったから」 「トニ、トルス……?」 しかしベンジャミンはそう言って笑ったが、まったく意味がわからない。 「トニトルスとは…」と問いかけると「譲り受けたんだ」と返ってくる。 (……どうしましょう。ベンジャミン様の言葉の意味が全く意味がわからないわ) 口数が多いわけではないベンジャミンにこれ以上、問い詰めても同じことの繰り返しになってしまう。 質問を変えようかと思ったが、今はトニトルスより、ベンジャミンがマティルダにここまでしてくれる理由が気になっていた。
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