二章 元悪役令嬢、新婚(監禁)生活スタートです!

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そう言って、ベンジャミンは考え込むように顎に手を当てた。 そのあと、手のひらの上に拳を乗せるとキラキラと瞳を輝かせながらマティルダにこう言った。 「なら、僕と結婚するのはどうかな?」 「……ッ!?」 ニッコリと笑みを浮かべながら「それがいいね」と言って頷いている。 マティルダは〝結婚〟という言葉に目玉が飛び出るほどに驚いていた。 動きを止めたマティルダにベンジャミンは「いいアイディアでしょう?」と誇らしげである。 「だっ……!?けっこ……えっ?」 「それならばここに住んでいても問題ないし、僕がマティルダを養えるだろう?夫婦ならばこうして一緒に過ごすことだって当然になると聞いたことがあるし」 「それはそうですが、でもこんなに突然っ……!」 「君だって突然婚約を破棄された。不当な理由で」 「……!」 「マティルダは一生懸命頑張っていたし、毎日国のために働いていた。それなのに公爵邸では怒られて窮屈な思いをしていた。アイツらは勝手にマティルダの力に嫉妬して冷たく当たっていた。こんなに辛い思いをたくさんしたのに、まだ我慢するつもり?」 「え……?」
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