二章 元悪役令嬢、新婚(監禁)生活スタートです!

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最初は上手くやっていけるのかドキドキして緊張していたマティルダだったが、三日ほどはベンジャミンに怪我が治るまで動くのを禁止されていたため、彼に看病されるがまま遠慮気味に過ごしていた。 マティルダの世話を全てしているベンジャミンは何故かずっと嬉しそうであった。 しかし最初は寝て食べてと幸せだったが、三日も経てば贅沢すぎる生活も次第に飽きてしまい、怪我が治ったタイミングでベンジャミンの手伝いを始めた。  最初は「マティルダは座っていてくれるだけでいい」と言われたが唯一ベンジャミンが本と睨めっこしながら作っていた料理を次の日からマティルダが作ることになった。 貴族の令嬢として暮らしていたマティルダだが、ガルボルグ公爵達がいない間を見計らって、こっそりとお菓子を作っていたり一人暮らし歴が長いからか無駄に凝った料理を作れるようになっている。 その知識は引き継いでいるので、この世界でもなんとか似た調味料を見つけては懐かしい味を探して食べていた。 公爵家ではシェフの作る高級な食材を作った上品な料理を食べていたが、手作りの味は何やものにも変え難い温かさがある。 食材は欲しいものがあるとベンジャミンが大量に持ってきてくれた。 毎日一緒にいるベンジャミンが何をしてお金を稼いでいるのか気になっていたマティルダだったが、問いかけるとその秘密を明かしてくれた。
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