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いつも扉が閉まりっぱなしのとある部屋には金貨が端から端まで山積みになっていた。
マティルダはこれでもかと口をあんぐりと開けながら金貨を指さし、ベンジャミンを見つめていた。
「な、なんでこんなに金貨が……!?」
「これだけあっても使い道がなかったから、助かったよ」
「いやいやいやいやいや!そうでなくて、どうしてこんなに金貨が大量にあるのですか!?」
マティルダの質問にベンジャミンは当たり前のように答えた。
「探していると、いつの間にか国を救っていることがよくあって……それで謝礼をもらうんだけど、使わないから溜まってくんだ!」
「????」
「ブルカリック王国も何度か力を使ったような気がするけど……」
マティルダはその言葉を聞いてあることを思い出していた。
ベンジャミンは国のピンチにフラリとやってきてドラゴンを倒したり旱魃時に雨を降らせたりしていることを。
国から謝礼はもらったり貰わなかったりと、まちまちだそうだが、それでも一生豪遊できるどころか無理をして使っても使いきれない量の金がこの部屋に乱雑に置かれている。
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