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(しかもマティルダって、ろくな目に合わないのよね)
そこは悪役令嬢の宿命なのか。
一番マシなルートで国外追放なので正直、笑えない。
それ以外はマティルダは溶けるか砂になるか消える……つまり死ぬしかない。
そしてマティルダ的なハッピーエンドはヒロインを黒焦げにすることのみである。
しかし今はそんなことはできそうになかった。
圧倒的な存在感で他を薙ぎ倒していくマティルダという存在。
しかし学園に入学する前ならば、少しはマティルダの運命を変えることができるのではないかと思い、頑張ってみようと呑気に考えていた。
まずは両親に味方になってもらおうと、マティルダの両親であるガルボルグ公爵と公爵夫人は厳しいを通り越して全く話が通じない鬼であった。
(む、娘だよ!?こんなに辛く当たる必要なくない!?めちゃくちゃ怖いんですけど……!)
良い子を装って見ても、健気に振る舞ってみても意味はない。
ガルボルグ公爵は完璧と一番以外は絶対に許さない。
マティルダの幼少期の記憶を掘り起こすと恐怖に埋め尽くされている。
容赦ない仕打ちを思い出しただけで吐き気をもよおすほどだった。
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