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いつものベンジャミンとは違う、こういった可愛らしい部分にマティルダは弱かった。
その理由がマティルダを甘やかすためだと言うのだから嬉しいような恥ずかしいような……複雑な気持ちである。
「わ、わかりましたから!そんな風に悲しい顔をしないでくださいっ」
「じゃあ何か欲しいものがあるの!?早く言って……!」
「ぐっ……!」
キラキラと子供のように目を輝かせるベンジャミンは何故か自分のものではなく、マティルダのものを大量に買いたがる。
ベンジャミンと暮らし始めてから、どんどんと溜まっていくマティルダのもの。
ある一室には食材を買いに行くついでにと、マティルダのために買い与えられたドレスや宝石、ぬいぐるみや化粧品などが山のように積み上がっている。
それはベンジャミンがマティルダのためにと買ってきてくれるのだが、パーティーに出るわけでもないので使い道がない。
ベンジャミンにそのことを説明すると「ならマティルダが欲しいものを買うよ」と言って、大量買いをしなくなったのはよかったが毎回、欲しいものを考えるのが大変である。
「では、今回はベンジャミン様と楽しめる紅茶と甘いお菓子をお願いいたします」
「ん……わかった。少しの間、ここを離れるけれどすぐに帰ってくるから待っていてね」
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