二章 元悪役令嬢、新婚(監禁)生活スタートです!

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強引かと思いきや、素直な反応を見せるベンジャミンに最近は振り回されっぱなしである。 先程まで唇が触れていた手の甲が熱く感じた。 初めは全く意識していなかったが、ベンジャミンと一緒に暮らし始めてからというもの、彼の優しさに絆されつつある。 これが恋なのかはわからないが、マティルダが納得するような形でと言ったからか、ベンジャミンとは〝夫婦〟という形を取っている。 (この世界でこんな風に素敵な旦那さんができるなんて思いもしなかったわ) 何よりベンジャミンの顔が良すぎて目の保養である そもそも眉目秀麗でなんでも魔法が使えて、ある意味お金持ちで、何故だかわからないが自分だけを真っ直ぐに愛してくれる男性に迫られれば誰だって嫌な気持ちはしないだろう。 ベンジャミンは立ち上がり、隣の部屋に移動していつもの格好……執事のような燕尾服に着替えて黒いウサギの仮面をつけて去って行った。 とても目立ちそうではあるが、実際には影が薄くなるように調整しているらしく、認識されづらくしていると言っていた。 「認識されづらくって、どういうことでしょうか」 「まずは闇魔法を使うんだけど水魔法と風魔法を使えるともっと楽かもしれないね。本当は光魔法を使えたら便利だけど僕は無理だから」 「???」
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