二章 元悪役令嬢、新婚(監禁)生活スタートです!

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ベンジャミンと過ごしてからは毎日必ず「え!?」「なんでですか!?」と、言っているような気がしていた。 まさか一晩で住んでいた場所が塔になってしまうとは思わなかった。 (昨日、寝ている時に工事の音はしなかったよね?まさか魔法を使ってこんなことができるなんて、ファンタジー……) ここが魔法を使えるファンタジーの世界だということも忘れて感心していた。 「マティルダが何度も逃げようとするから仕方なく……ね?」 「わ、わたくし逃げたりなんかしません!ただ少し気分転換に外に出ようかと思っただけです!」 「マティルダ、外は危ないよ。アイツらに見つかったらどうするの?」 「……アイツら?」 「ブルカリック王国の奴らだよ。マティルダを取り戻しにくるかもしれない」 「わたくしを取り戻しに来るわけないですから!だから外に……っ」 「もう外に行くなんて絶対に言わないで」 「ベンジャミン様」 「マティルダは僕が守るから……」 仄暗い表情でこちらに迫ってくるベンジャミンにマティルダは首がもげるほどに縦に動かした。
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