二章 元悪役令嬢、新婚(監禁)生活スタートです!

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何度かお願いしてみたが結局、これだけは許されることはなく、それから「外に行きたい」は禁句である。 (ベンジャミン様はわたくしが傷つかないようにと必死に守ろうとしてくれているんでしょうけど……) この時点でベンジャミンに強く執着されて行動を制限されていることに全く気づいていないマティルダは、ベンジャミンとの認識に大きな違いが生まれていることすらわからないまま、呑気に空を眺めていた。 (国の人達はわたくしのことなんて、もうどうでもいいだろうし、どうして外に出たらいけないんだろう。この森には恐ろしい魔獣やドラゴンでも出るのかしら?でも違うと言っていたし……) マティルダはベンジャミンと森に出かけた時に雷魔法で何度か魔獣退治をしたことがある。 その方法を教えてくれたのはベンジャミンだ。 今までの魔法講師達とは違う実戦を含む魔法訓練はいい経験になった。 ガルボルグ公爵にはさすがに内容を報告できなかったが、いざとなった時に役立つと思い、マティルダはベンジャミンに言われるがまま腕を磨いてきた。 塔の下を見ると青々と生い茂る草や花が見えた。 (あの草むらに寝転がって昼寝したいし、あの花畑にも行ってみたいのに……)
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