二章 元悪役令嬢、新婚(監禁)生活スタートです!

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積極的なベンジャミンに比べて、前世の記憶を含めて恋愛経験がほぼないマティルダは顔が近づくたびに過剰な反応を返していた。 呆れられてしまうと思っていたが、ベンジャミンはマティルダがウブな反応を返すたびに「可愛い」と言って喜んでいる。 ベンジャミンにはローリーとの関係を問われたことがあった。 「あの王太子とは何もなかったんだよね?」 「……そ、それは」 「僕がマティルダの初めてじゃないの?」 「~~~っ!」 「マティルダ?」 「そうです!全部、ベンジャミン様が初めてですからっ!」 どうやらローリーとの関係が気になっていたようだが、マティルダの努力虚しくローリーにはずっと距離を空けられていたため、婚約者というのは名ばかりでむしろ友人よりも遠い関係だった。 「よかった……なんだか嬉しいな」 「……!」 「これからもマティルダのペースに合わせるよ。いきなり襲ったりしないから安心して」 「と、当然です……!」 「今日も可愛いね、マティルダ」 ベンジャミンは言葉通り、手を繋いだり頬にキスをしたりと順調に距離を縮めている。 そして日が経つ度にベンジャミンに惹かれていくことに気づいて、我ながらチョロいと思いつつも夢のような時間を過ごしている。
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