二章 元悪役令嬢、新婚(監禁)生活スタートです!

32/42
前へ
/217ページ
次へ
今までマティルダとして頑張ってきたご褒美なのだろうか。 『もし願いが叶うなら、生まれ変わって美人になってお金持ちになりたいし、社畜にならないでイケメンと幸せに暮らせたらいいかも~!それから魔法なんか使えちゃったりしたら最高なんですけど!!!!』 マティルダになる前に願ったことが、少々遠回りではあったがバッチリ叶っているではないか。 (赤い光の神様……ありがとうございます) マティルダは祈るように手を合わせた。 (まさかベンジャミン様とこんな関係になるなんて、あの時には思いもしなかったけど……今は感謝しています) 黒いウサギの仮面をつけた変わった人。 それがベンジャミンの最初の印象だった。 会話は空中に浮かぶ文字だけで、声も顔も知らない。 だけど忙しなくどこか寂しい日々の中で彼が癒しになり、本当の姿を曝け出せる唯一の場所になっていたのは間違いない。 (まさか仮面の下がこんなにイケメンで、お喋りだとは思わなかったけど……) ベンジャミンはたまに好奇心旺盛な子供のようにも見える。
/217ページ

最初のコメントを投稿しよう!

666人が本棚に入れています
本棚に追加