二章 元悪役令嬢、新婚(監禁)生活スタートです!

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ベンジャミンによると、トニトルスは度々どこかにいなくなってしまう仲間を探しているらしく、こうして帰ってきては再び出かけてを繰り返しているらしい。 (鳥って、迷子になるのかしら……) そしてベンジャミンがガルボルグ公爵邸にいない時は、度々マティルダの様子を見るように頼まれていたようで、初対面でトニトルスに『お人好しのどんくさい女』と言われてしまったのは記憶に新しい。 トニトルスとの会話は頭の中に声が響いている不思議な感覚だった。 しかしそれも一カ月も経てば慣れてしまう。 なかなかに辛口ではあるが、実は口が悪いだけの恥ずかしがり屋で、いつもマティルダを心配してくれる優しい鳥なのである。 初めは嫌われているかと思うくらい、頭を嘴で突かれまくっていた。 このままでは頭が禿げてしまいそうだと思っていた頃、トニトルスのご飯をあげてみたらどう?とベンジャミンに提案されて、あげてみるとトニトルスの態度が少し柔らかくなった。 そのご飯というのは『電気』であり、マティルダの使える雷魔法が主食になり得るというのだから驚きだった。 しかしそのお陰でトニトルスとは随分と仲良くなった気がしていた。
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