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「申し訳ございません、お嬢様! お目覚めになられた喜びについ……! どこかお加減が優れないところはありませんか? まだお目覚めになられたばかりなのですから、座ってください。お水がよろしいでしょうか、それとも温かいお紅茶をご用意いたしますか?」
恭しく椅子へと導かれ、腰を下ろす。
ソフィーはふっと私の側を離れたもののすぐに戻ってきて、裸足だった私の足に柔らかなスリッパを履かせてくれた。
「お腹は空いておりませんか? 軽く摘まめるお菓子もご用意しましょうか。それとも、スープなどの軽食をお召し上がりになりますか?」
「ありがとう、ソフィー。紅茶とクッキーをお願いできる?」
「ええ、もちろんにございます。すぐにご用意して参りますね」
「あ、ソフィー。その前に」
ぴたりと足を止めた彼女が「はい」と再び私の足下で膝を折り、私の片手を優しく包み込んでくれる。
「なんでございましょう、お嬢様」
(……あたたかい)
優しい、労わる微笑みに、胸がじんわりと痺れる感覚。
(そうよ。アメリアだけじゃなかった。私には、こんなにも尽くしてくれていたソフィーがいたのに)
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