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デリカシーのない兄の利用価値
(我が兄ながら、情けないわね……)
お告げの夜に生まれた私達が、そう遠くないうちにルベルト殿下の婚約者候補として正式にお披露目されるのは、社交界でも周知の事実。
つまるところ、どうあがいてもアメリアを手に入れることのできないオルガにとって、このお茶会は意中の相手と話せるまたとないチャンスだろうに。
(本当に、つまらない話しかしないのね……)
そもそも公爵家の跡取りとして、こうも緊張をわかりやすく態度に出してしまうのも問題だと思うのだけれど。
オルガの選ぶ話題は先の狩猟で仕留めた獲物の大きさだったり、剣術の稽古で三人に打ち勝った話だったり。
まあ、とにかく女性にはさして興味のない話ばかり。
(少しでもいいところを知ってもらいたくて、選んだ話題なのでしょうけれど)
必死な自慢ばかりを並べ立てたところで、退屈に思われては好意など持ってもらえるはずがないというのに。
それでも彼を邪険に扱えないアメリアは、さすがというべきか、にこやかな笑みを携えたまま噛み合わない会話にもなんとか応対している。
(いい気味ね)
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