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「こたびの行いは、帝国法において斬首刑に値する重罪と定められた蛮行である」
「ま……まってください、ルベルト殿下! 私は本当に、何も知らず……!」
「見苦しいですぞミーシャ様! いくら"悪女"と称されようと、あなたも貴族の端くれ。潔く己が罰を受け入れなされ!」
殿下! と。騎士団長は恭しく片膝を地につき、
「どのみち審判の日まであと六ヶ月。この者の運命は変わりませぬ。殿下、ご決断を!」
(まさか、ここで即刻の処刑を!?)
「そんな……! ――アメリア!」
叫んだ私に、アメリアの肩がびくりと跳ねる。
一刻を争う私は構うことなく、
「あなたからも言ってちょうだい! 私達はこの洞窟に咲くテネスの花の意味など教えてもらえなかったと! 共に講義を受けていたアメリアなら――」
「どうして……そう、罪を重ねるのですか。お姉様」
アメリアが細い肩を絶望に震えさせ、両手で顔を覆う。
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