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「とんでもない。まりあは生きてるよ」
泣きそうに顔を歪める飼い主に、シフォンが慌ててフォローを入れる。
「その輝きが証拠だよ。それは、〝生命の光〟。死んだら失われてしまうものなんだ。それがある限り、まりあはまだ生きているってことだよ」
まりあは、改めて自身の掌を見つめた。魔法の粉みたいなキラキラとした輝きが、ヴェールのように全体を包み込んでいる。――これが、生きている証。
「ただし、楽観視は出来ない。この世界には霊体でないと来られない。つまり、まりあは現在おばけみたいなものなんだ。身体を現世に置いてきて、魂だけがこちらに来ている状態なんだよ」
「え? でも、身体の感覚、あるよ?」
走ったらしっかりとくたびれたし、心音も、呼吸をしている実感も、痛みだってある。薄着で水に濡れても大して寒さを感じていないのだけが生身との違いを感じさせるくらいだ。
「この世界では、霊体が具現化出来るんだ。魂の有り様に応じて姿が変質していってしまうから、それを異形化と呼んでいるんだけど」
「さっき、シフォンが言ってた言葉だね」
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