もと居た場所

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「おかしいな~、どうしたんだろう?」遥が、首をひねる。 「分かった、二人の年を足して、二で割った歳で、止まったんだ」 「じゃ、二人とも、23歳って事?」「じゃ無いかな」 「え~っ、嶺二は6歳若くて、私は6歳年寄って事?狡いよ」 「狡いって事より、もっと困るぞ、俺達は不老なんだからな」 「あ~っ、何時までも、23歳?」「って事になるよね」 「ど、どうしよう、、」「仕方ない、ここでひっそり、暮らすしか無いよ」 「、、、、カマキリのまま、死んだ方が良かったかな~」 遥が、ぼそっと言う。 「何を言ってるんだ、それが嫌だったから、あんなに苦労して 人間に戻ったんだろ」「、、、、、」 「そのお陰で、お爺ちゃんにも会えて、美味しいご飯が食べられて ミシンで、いろいろな物が作れて、楽しい毎日が送れてる。 それで良いじゃ無いか、そう思おうよ、なっ」 嶺二は、そう言うと、拳を握り「遥、これからも、何が有っても 陽気に行こうぜ!!」と、その拳を上に上げる。 遥は、涙を零しながら、それでも一緒に、拳を上げた。 嶺二は、本格的に、ここで暮らす為に、鶏を飼う事にした。 卵が採れるだけでなく、その糞は畑の肥料にもなる。 その畑仕事は、元農家だった嶺二には、慣れたものだ。 それに、レベルマックスの体力で、働けるので、畑も広げ 栽培する、野菜の種類も増やす。 嶺二は、公男に頼んで、パソコンを買ってもらった。 知らない事を、何でも検索して調べるだけでなく 自分達が作った洋服を、ネットを使って、売る事にしたのだ。 これなら、少しは収入も増え、公男の負担も減らせる、そう思った。 「だけど、洋服を売るサイトは、多いよ 何か、特徴のある服でも作らないと、競争には勝てないと思う」 「そうだな、何か、他の人が作っていない様な、、変わった物、、、」 いろいろ考えた二人は、コスプレ用の服を作る事にした。 流行っていると言う、アニメのキャラの服を、5枚ほど作って 【玲春】と、言う名で出品して見ると、あっという間に売れた。 「いけるかも」と、他のアニメの服も、作って乗せると、それも完売し 「この子の服を作って下さい」と言う、注文も来た。 その注文に応えてやると、我も我もと、いろいろなキャラの服を頼まれる。 「え~っ、こんなキャラも居るんだ」「よく分からないから、検索しよう」 と、パソコンを駆使して、しっかり調べ、希望通りの服を作る。 いつしか「玲春の作品、最高!!」と、言われる様になり 服だけでなく、持っている小物や、武器や盾なども、作ってくれと言われる。 基本、コスプレをする人は、自分で作るのが、楽しいのだが 縫うのが苦手な人も居て、コスプレしたいけど、作れないと言う人や 忙しくて、作る暇が無いと言う人が、注文してくれる様だった。 畑仕事が終わった午後からは、三台のミシンが、休む事無く働き 次々と作品を作り上げて行く。
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