誰の所為だ?

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誰の所為だ?

(男)何だろう?何も見えないし、何も聞こえない、、。 (女)何?何も無いのに、何だか狭苦しい感じがする、、。 (男)誰か、傍に居る様な、、俺の鼓動と違う鼓動を感じる、、。 (女)怖い、、何だか怖いわ、、。 ミミ「お待たせしました、山脇嶺二さん29歳と、野上遥さん17歳ですね。 これから、貴方達の事に関して、少し、お話しておかねばなりません お二人は、交通事故で亡くなりました」 (遥)私が、交通事故で死んだって?嘘でしょ。 ミミ「事故で亡くなられた方は、大抵の人がそう言いますが、本当です」 嶺二「思い出した、歩道を歩いていた時、車が突っ込んで来て、、、」 遥「そうよ、大きな建物の壁の前、、でも、その後の事は、何も、、」 ミミ「思い出されましたか、その時に、お二人は亡くなられたのです」 嶺二「マジか、、」 遥「信じられない、、」 ミミ「あ、申し遅れました、私は、転生者管理局の局員、第33号 通称、ミミと申します。 嶺二「てんせいしゃ管理局?なんだそれは? ミミ「亡くなられた方を、新しい命として、再び、この世に送り出し その全員を管理する機関です」 嶺二「ああ、その転生というやつか」 遥「生き返るって事なの?」 ミミ「それとは、少し違います、別の生命として、生きるという事ですね。 お二人は、同じ場所の、同じ時刻に亡くなりました。 お二人とも、転生する事が決まり、転生する体に、魂を入れ この管理局に送られて来たのですが、そこで、重大な事が分かったのです。 何と、お二人の魂は、転生する一つの体の中に入ってしまっていたのです。 遥「、、どういう事?」 嶺二「何でそんな事に?」 ミミ「分かりません、亡くなられた時、二人の体は、まるで、一人の体の様に 重なったままだったそうなので、魂も、ごく近くで一緒に居た所為かも、、 とにかく、この管理局に、来る以前の事ですので こちらの手落ちでは有りませんが、、、」 嶺二「誰の手落ちなんだよ」 ミミ「その作業をしていた者は、責任を取らされて、解雇されました。 何しろ、死者の数も、転生者の数も多く、作業員も、疲労しておりまして」 嶺二「それで、俺たちは、どうなるんだ?」 ミミ「お二人は、このまま一緒に、生きて行くしか有りません。 嶺二「一つの体に、二つの魂って、、それで、うまく生きられるのか?」 ミミ「多少、窮屈でしょうが、一人より良い事が有るかも知れませんし」 嶺二「何だか、気休め程度の言葉にしか、聞こえないが」 遥「私は嫌よ、あと一個で30歳の、小父さんなんかと一緒だなんて」 嶺二「俺だって、17歳のガキと一緒だなんて、ごめんだね」 ミミ「いくら、嫌だと言っても、もう、どう仕様も有りません。 後、少しで、否応なく、この世に、生まれ出ます」
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