中上高校怪奇部活動ノート

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「伊嶋邸の件はそれが最良だろうね。問題は土屋学習塾の方だ。コダマ、マキちゃんは今日もいっぱい引き連れていたんだろう?」 帰宅したコダマは、師でもある祖母のサクに昼間の出来事を報告していた。 「うん。マキちゃんち、塾の近くだからさー。毎日ズルズル引きずってくるんだよね。何体いるのかはとてもわからないんだ。面倒だから癖の強いやつは問答無用で祓ってるけど」 「そこまでの憑依体質で全くダメージがないっていうのは初めてのパターンだよ。普通ならあの子のやってるようなオカルト遊びは言語道断だって叱りつけるところだけどね。あの学習塾跡は魂の通り道が複雑に絡み合った吹き溜まりだよ。この町で一番危険なのはあそこだろう。けれども……」 サクは考えをまとめるようにこめかみを揉んだ。 「最初に見た時はさすがにびっくりしたけど。マキちゃんが磁石みたいに毎日お掃除してるからあの辺りでの事故はなくなったんだよねー。怪奇部の活動でしょっちゅうイケナイところをうろついてはくっつけてくるし」 「こっそり片づけなさい。本人には言っちゃいけないよ、さすがにショックを受けるだろう」 「いつも言ってるよ。でもマキちゃん全然平気なんだよ」 「恐ろしい子だね」 10ae744e-eac5-4c3a-b11e-6a6a69434741
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