♦︎狼少年のさらに上♦︎

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夜の10時。 マヤさん、入院している病室を抜け出し、廊下を走ります。 「はぁ……はぁ…。」 このままだと、殺される。 病院に殺される。 医者は何もしてくれない。 私は病気なのに。 こんなに胸が苦しいのに。 「痛い、痛い……苦しい苦しい!」 どれくらい廊下を走ったでしょうか。 公衆電話を見つけたマヤさん。 急いでお金を入れ、家に電話をかけます。 「お願い……出て、お願い…。」 ガチャ。 「はい、もしも、」 「マミ⁉︎私よ、お母さんよ!」 マヤさん、急いでいます。 胸が苦しくて苦しくてたまらないのです。 助けてほしい一心なのです。 「…はぁ?何の用?」 なのにマミさんはめんどくさそうにこたえます。 マミさんはマヤさんが入院しているのをもちろん知っています。 「お願い、助けてほしいの、胸が……胸が痛いの!苦しいの!」 「はぁ。」 「嘘じゃないの、本当なの!なのに先生は何もしてくれなく…。」 「当たり前でしょ。」 マミさん、さらっとこたえます。
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