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夜の10時。
マヤさん、入院している病室を抜け出し、廊下を走ります。
「はぁ……はぁ…。」
このままだと、殺される。
病院に殺される。
医者は何もしてくれない。
私は病気なのに。
こんなに胸が苦しいのに。
「痛い、痛い……苦しい苦しい!」
どれくらい廊下を走ったでしょうか。
公衆電話を見つけたマヤさん。
急いでお金を入れ、家に電話をかけます。
「お願い……出て、お願い…。」
ガチャ。
「はい、もしも、」
「マミ⁉︎私よ、お母さんよ!」
マヤさん、急いでいます。
胸が苦しくて苦しくてたまらないのです。
助けてほしい一心なのです。
「…はぁ?何の用?」
なのにマミさんはめんどくさそうにこたえます。
マミさんはマヤさんが入院しているのをもちろん知っています。
「お願い、助けてほしいの、胸が……胸が痛いの!苦しいの!」
「はぁ。」
「嘘じゃないの、本当なの!なのに先生は何もしてくれなく…。」
「当たり前でしょ。」
マミさん、さらっとこたえます。
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