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瑠衣の心づかい
翼が僕の部屋で寝ていたのを見てからも、瑠衣の態度は変わらなかった。
僕達の嘘を信じたのか、それとも何かを感じてなんともないふりをしているのかわからない。
瑠衣は夕食の後、いつもの様にお風呂から出ると翼に髪を乾かしてもらいながら、こう言った!
「翼は今夜も都華咲と寝る?」
「・・・・いや、部屋で寝るよ」
「僕は一人でも平気だから、都華咲の部屋に行っていいよ」
「ありがとう、でも大丈夫!部屋で寝るから、心配させてごめんな」
「そんな事ないよ、僕もお泊まりした時はお父さんと一緒に寝てるんだよ。」
「そうなんだ」
「お父さんって、すごくいい匂いがして、僕お父さんにくっついて寝ると安心するんだ!だから翼の気持ち、よく分かるよ!都華咲もいい匂いがする?」
「うん、いい匂いがする」
「でしょ、だから一緒に寝ると安心して眠れるんだよね」
「そうだな」
なんだか、瑠衣は翼が僕と寝ていたのを擁護しているようにも思えた。
瑠衣がお父さんに感じる安心と、翼が僕に感じる安心とは違うのに・・・・・
それでも、瑠衣にそう言われると安心したような、嬉しい様な気になってくる。
瑠衣がもし、ぼくと翼の関係を知ったらどう思うだろう・・・・・
いつかはお義父さんにも僕と翼のことを話そうと思っているけど、その前に瑠衣に話そうと思う!
瑠衣には僕の気持ちも翼の気持ちもわかって欲しい、そして僕達二人を受け入れてほしいと思った。
今週末は月一の外食の日だ、四人で揃っていつもより少し豪華な夕食を摂る。
翼も一緒に食べる様になって、瑠衣も僕も楽しみで仕方がない。
それに食事が終われば、瑠衣はそのままお父さんと一緒に帰る!
翼と二人だけの夜だ、食事中もその事が頭から離れない。
翼と目が合うたびに、その目に宿る熱い想いに気づいて、身体に痺れるようなうづきが生まれる。
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