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「だから嫌なのよっ!なんかしわしわネームっぽいし!アタイなんかどうせ、ただのエクトプラズムよっ!写真にうっかり写り込んだり人の口から出て来たり、暗闇で見たらちょっと光って何が怖そうに見えるくらいが関の山で悪かったわねっ!どうせ魔法なんて使えない見かけ倒しよっ!」
「あの私、何もそこまでは……」
「アタイらただの霊体エネルギーだからね?言っちゃえばアンタら人間の中にもあるヤツっていうか、ガワがないだけでガチ中の人だからね?ただの中の人にそこまで要求すんのって、逆に酷じゃね?」
デモちゃんは私の周りをグルグル回りながら、早口で滑舌イマイチな自分語りマシンガントークを炸裂させる。
「わかってる、わかってるよ、デモちゃん。デモちゃんは今のままでいいんだよ?私がこうしてこの世界でどうにかやっていけてるのも、デモちゃんのお陰だしね?」
デモちゃんは「ふん」と鼻を鳴らすと、まるで猫の尻尾か空中に浮かぶチンアナゴのようにふんわりふわふわ漂い始めた。
ーー有能なのに色々コジらせてんだよなぁ……
なお、デモちゃんの触感はふわふわともちもちの中間ぐらいで意外とクセになる。
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