case2 大公子殿下は天然ス○ーカー?

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「わ、悪だくみだなんてまさかそんな……ホホホ」 「アテクシ共、愛と誠の真実一路、お客様第一がモットーの貴族令嬢御用達行商人、カンターヴィア&アレグレッテ商会ですもの。オホホホホ」 「ふうん……?」  レオンは透き通ったエメラルドのような丸い瞳で不満そうに見つめ返したがそれ以上は何も聞かなかった。とりあえず、この好奇心旺盛で天真爛漫、後継者争いすらカヤの外っぽい善人王子にこれ以上致命的なことを聞かれた訳ではないらしい……私とデモちゃんは胸を撫で下ろした。 「ところでさ、今度はいつまでこっちいるの?この後、ウチにももちろん寄ってくれるんだよね?」 ――うっ……全然予定に入れてねーわ。 ――あんたん家って一軒丸々マイホームタウンみたいな大宮殿だろうが!門から玄関まで馬車で三十分はかかるし、ルート的にも寄り道になるしでめんどいんじゃ!  そんな心の声を諸々隠し、にっこりと無難な営業スマイルをカマすアテクシ。 「ええ。大公妃様、大公女様方が御用命とあらば……当店は貴族令嬢御用達、カンターヴィア&アレグレッテ商会ですから」
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