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歌劇が好きで音楽全般に精通しているノリカ公妃は興味深そうに「一体どんな歌だったのかしらね……」と頷いた。
学校の歴史では教わらない類の、都市伝説みたいなネタだけど彼女に合わせて仕入れて来てよかった。
「それに比べたら私が昔、渡り合って断罪イベントでやっつけた悪役令嬢達なんてまだ可愛いものよね。あれからン年……彼女達だって伝説の大物級扱いなのよ」
「それは悪役令嬢冥利につきましょう」
「それはどうかしら?本命彼には振られるわ、家は没落するわ――追放エンドや隠遁エンドを迎えるくらいなら、等身大の幸せを探すべきだったと後悔しているかもよ」
「なるほど」
「それに……私の可愛いお子達が将来、悪役令嬢に出会い、被害に遭ってしまったら……心配で仕方がないの。でも幸い、この世界のどこかには今日も私のような転生ヒロインが誕生して、彼女達のような気の毒な悪役令嬢を断罪し、更生させている……」
「おっしゃる通りでございます」
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