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「それに今の子達は悪役令嬢なんて割に合わないと気づき始めている。悪役令嬢が絶滅し世界が平和になる日もきっと近いわ」
「ですが『木が逆さに生え、森が動いてもこの世に悪の栄えなかった試しはない』という古き言い伝えもございます。妃殿下に後継者不足の心配は無いのでは……」
しまった。これは失言だった。が、公妃は気に障った風でもなく
「ええっ?嫌よお。あの平らな顔の偽聖女や強面の女子爵、自称公女の娘達とまたやり合うなんて……」と、さらりと笑う。
何か都合よく取り違えてくれたっぽい。
「ま、でもその時は、リリアがまた力を貸してくれるわよね?昔取った杵柄、ヒロインパワーでギャフンと言わせちゃうんだからっ!」
ーーぎゃふんて……
「ええ、それはもちろん!陰謀と裏工作……いえ、『嘘も方便』『手段はノージャンル』の正義のヒロイン大作戦、ぜひまたお手伝いしたいですわ!」
ノリカは「あの頃キラキラだったアテクシ」系の自分語り回想モードに入った。
「毎日がダーリンそっちのけで悪役令嬢とのガチバトルだったわ。手の込んだ嫌がらせの裏を掻き、心理戦&情報操作上等のザマァ作戦を立てていた」
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