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「庶民でありながら正義派の貴族様をも味方につけ、並いる悪役ライバル達を次々と断罪しサルヴァノーヴァ公(ハイスペダーリン)とご結婚されたノリカ様、実にお見事でございました!」
実はノリカ公妃――当時はノリカ・オオマチ――はここ「アルティメイテッド・きゅんラブキャッスル」の世界に転生して来たヒロインである。貴族学園高等部に入学したての当時一六歳。
……と、本人は思い込んでいるが、実は元々のキャラ設定は悪役令嬢であった。往々にして悪役令嬢本人には悪役令嬢としての自覚は無いものである。だがノリカはスクールカースト上位者でありながら気配り細かく一隅を照らすような、面倒見のいい姉御肌の悪役令嬢であった。
一方、その頃の私は行商に出る資金を貯めるため、学園の購買部で働いていた。
常にイケメンの取り巻きをはべらせながら見え見えの手で彼女と婚約者(現在の夫君サルヴァノーヴァ公、当時は公太子)の仲を邪魔し、天然を装いながらあざとく気を引こうとするヒロインがいけ好かなかった。
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