夢をみる

10/11
前へ
/222ページ
次へ
アルバイトとレッスンの毎日、週に二度は叔母の家で夕食を食べる。これが私のここ4年間の日常生活だ。 アルバイト先はセルフの郊外型カフェ。表は大きな通りに面して駐車場がある。 私は最初、幹線道路に面していると思っていたのだけれど、これは幹線道路と住宅地を結ぶ生活道路だとパートさんが教えてくれた。生活道路はどんなに広い道路でも、国道や市道を経由して駅などにつながるので幹線道路と言わないらしい。 そしてカフェの裏には用水路があり、カフェと用水路の間にはパラソルの立つテーブルがあるので店内でも外でも、テイクアウトでもオーケーというカフェだ。 私は基本的にここで7時から15時まで働く。 「いらっしゃいませ、こんにちは」 「才花ちゃん、お疲れ様。ラテ、Mサイズでお願い」 「ラテはフォームミルク多めですか?」 「分かってるねぇ、お願い」 「かしこまりました。460円になります」 隣のお弁当屋さんの店長さんはいつも来てくれるのでお好みは把握している。ここで4年以上アルバイトしているので、顔見知りのお客様も多い。 彼女はラテを持って外に出ると、いつもお弁当屋さんの裏にあるテーブルに行って休憩する。どこの商品を食べてる、飲んでると、お互いの店が厳しく注意していないので、カフェの裏でお弁当を食べている人もたまにいるが皆が容認している。 そこから夕方はスクールに通うのだ。
/222ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9971人が本棚に入れています
本棚に追加